皆さんの会社には、メンター制度ってありますか?
もしかしたら、この春新入社員を迎えるに際して上司からメンターになってくれ、とお願いされた人もいるかもしれません。
では、メンターとはいったいどんな意味なのでしょうか?
どんなことをする必要があり、いったいどれくらい重要なものなのでしょうか??
さらに、メンターに向いている人の特徴についてもご紹介します。
誰にメンターになってもらうべきか、頭を悩ましている人もチェックしてみてくださいね。
メンターとは?
皆さんは「メンター」って言葉、聞いたことがありますか?
メンター(mentor)とは、仕事上または人生の指導者や助言者のことを指しています。
言葉としては「良い指導者」、「優れた助言者」、「恩師」という意味があるようです。
企業においては、新入社員を迎えるに際して、彼らの精神的なサポートをするために専任者を設けることがあり、それがメンター制度と呼ばれています。
”人生や仕事上の指導者や助言者”なんて聞くと、かなり重たい役目に感じますが、わたしたちは何事も新しいことを始める時には、信頼できる指導やアドバイスを必要としますよね。
そのような存在があると、新しい人たちも早く成長します。
人材育成のための手法としても持ちいられているということですが、何か役職があったり上司として組織上のことに関与するということではなく、組織として関与度の低いほかの部門にいる人や先輩をメンターとして任命することにより、日頃の悩みや相談事を持ち掛けることができるようにしたり、さらにはキャリアパスの見本となる人材をメンターとして割り当てることもあるようです。
1.メンターってどういう人?
メンターは、会社においては継続的発展を支える存在と言えます。
なぜなら、メンターは成功体験を実現するためのお手本をロールモデルとして見せ、目標達成のイメージが明確に持てるようにする存在で、新人社員を育成する役割があるからです。
そして、成功した時のやりがいを現実化することや、仕事のモチベーションを上げるために成功した時の楽しさも教えます。
そして、体験を教えるにとどまらず、本人が自分で現状にどのように対応していくことができるかを考える支援もします。
つまり、相手の潜在的可能性を見出し、やる気を引き出し、業務の達成を通して成長させていくわけです。
ですから、将来のビジョンの参考になることを教えてくる人でもあり、壁にぶち当たった時にはそれを乗り越える方法を教えてくれる人であり、有益な知識や経験を伝えてくれる人なんですね。
2.メンターの語源とは?
この「メンター」という言葉の語源と言われているのは、「オデュッセイア」という叙事詩に登場する賢者「メントール」という男性の名前です。
このメントールという人は、王の息子の教育を任された賢者で、王の息子にとってよき指導者であり、よき理解者でもあり、そして良き支援者でもあった人なんです。
このメントールが、英語ではメンターと呼ばれるようになりました。
そして、その指導を受ける側の人をメンティと呼びます。
3.会社のメンター制度
会社では、メンター制度として若手や新入社員のメンバーに、先輩を加わらせて相談事にのったり、仕事のサポートやアドバイスをしたりすることがあります。
ここで、先輩となる人は特定の分野において経験があり成功している必要があります。
その人はキャリアや仕事の進め方を教え、メンティを一人前への成長させていくのです。
会社側としては、「即戦力」がほしいという思いが強いので、新人さんにも早く職場の環境に慣れて、仕事にも慣れて業績をアップしてほしいところ。
そして、さらにその時だけではなく今後ずっと会社を支えられるような人材として成長してほしいもの。
そのような目的の元、メンターはメンティの精神的なサポートも含め、キャリア形成をはじめ生活上のいろいろな悩みを受け止め、その人を育成していく役割、ということになります。
それで、メンティにとって直接の上司や関係の強いチームのメンバーをメンターにするのではなく、それ以外の人がその役割を果たします。
つまり、既存の組織体制に対して横軸の存在を入れ、その人個人の成長にフォーカスを当てた育成法といえます。
ですから、実際のチーム内の先輩や上長に限られる傾向の多いOJT制度とは少し違いますし、さらに見習いとして師匠を見て学ぶとか雑用をこなしながら学ぶといったアプレンティス制度とも違います。
もっと積極的にメンティのキャリア形成や生活面・精神面での成長に介入するような立場です。
指示や命令といった形で教えるのではなく、対話することによってメンティに気づきを与えたり、本人の自発的な成長を促す方法ですね。
ですから、良くも悪くもメンティの人生に大きな影響を与える存在なのです。
4.メンターの重要度
実際にメンターがいるのといないのとではどんな差が生まれるのでしょうか?
例えば、仕事が増えたり、自分のポジションが上がったり、責任が大きくなったりしたときなど、これから始めての経験にぶつかったというとき、相談できる人、具体的なアドバイスをしてくれる人、さらに経験談を教えてくれる人がいるのといないのとでは大きな差があります。
自分だけでは経験がなく、それゆえに気づきや視野が狭くなってしまうところを、具体的にそして大きな視野と経験に基づく確かな情報から、いろいろとアドバイスをもらえるなら成功への道のりは大きく近づくはずです。
一人では考えつかないことや、思いつかないことも気づかせてくれたり、全体から見たアドバイスなどを聞くと、大きなヒントをもらえることが多いものです。
それで、新入社員にとってメンターがいることで、早く自分の職場で活躍のチャンスをとらえ効率的に仕事ができるようになったり、精神的にも支えてもらうことができるので、会社としても大きなメリットがあるのです。
そして、会社は次の世代を育てなければ成長が止まってしまいます。
さらに、メンターにになる人にとってもその経験が自分の大きな成長の機会になります。
会社の将来を考えた時にも、良いメンターの存在をつくることが大きなプラスになるのです。
厚生労働省も人材育成やキャリア教育の一環として「メンター制度」の導入を推奨しています。
5.メンターの認定資格
メンターの資格を取得するための資格認定コースというものもあります。
コースでは、組織や企業の中で必要とされるこの制度のことを正しく理解することや、さらにメンタリングを構成するカウンセリングとコーチングのスキルを磨くことができます。
メンターになる、ということは仕事以外のことでも悩みを聞いたり、メンティのキャリア全体にわたってのアドバイスをしていかなくてはいけません。
そして自分自身が模範となる必要もあり、メンティを精神面でも支えていくだけのスキルが必要です。
つまりメンティとの信頼関係を築き、話や考えをよく聞いて理解し、その人の個性や可能性を発見し、そこを成長させられるような存在にならなければいけません。
そのようなスキルを学び、講座を受けたところの認定基準により認定された人に、認定資格というものが与えられます。
メンターにふさわしい人の20個の特徴
メンターがメンティに対しても、メンター制度を導入している会社にとっても、良くも悪くも大きな影響を与える存在になる、ということで、もし良いメンターがいるならば仕事も人生も成功させやすくなります。
ですから、良いメンターを見つける、というのはとても大事なことのようです。
では、今の社会において、個人としても会社としても成長に欠かせない存在となってきたメンターですが、どんな人がメンターとしてふさわしい人といえるのでしょうか??
メンターとしてふさわしい人の特徴を20個見てみましょう!
1.周囲からの信頼が厚い人
まず、周囲からその人がどう見られているか、ということは大事なことです。
一緒に働いてきた人、長年その人を見て知ってきた人がその人のことを信頼し、尊敬しているでしょうか?
メンターは、メンティの仕事、そして仕事以上の生活面でも悩みや問題などに向き合える人でなければいけません。
ですから、メンターとメンティとの間には信頼関係が不可欠です。
メンティが尊敬し、安心して相談できる人でなければいけません。
ですから、周囲からも信頼が厚い人でなければその役目は務まらないでしょう。
そして、自分自身が模範とならなくてはいけないのですから、信頼されていない人は向いていませんね。
2.人を見抜く力がある人
メンターは、メンティの可能性や長所というものを見抜く力が必要です。
メンティがどのような人格特性を持っているのか、ということもちゃんと理解して、受け入れ、それに基づいて導いていく必要もあります。
ですから、人をよく観察して、その人の個性や特徴や思考のパターンなどを分析したり、それを察知する能力に長けた人が向いているのです。
そうでないなら、メンティを個人的にサポートすることは難しく事務的にアドバイスするだけの存在になってしまうでしょう。
個人として、メンティが自分で考え、そして成長していくのを支える役割を果たせる人でなければいけませんので、個人として人を尊重し、人を見抜く力が必要です。
3.プラス思考の人
人にやる気や意欲を起こさせるためには、メンター自身が積極的な思考の持ち主であるほうがいいでしょう。
自分自身がやる気をいつも持てないとか、いつもマイナス思考で消極的なことばかりを口にしている人では、他人にやる気を持たせることは難しいのではないでしょうか?
自分自身が見本である必要性もあるのです。
そして、メンティに対しても積極的な見方ができる人でなければその人の可能性というものを引き出すことはできません。
メンティが落ち込んでいるときや失敗してしまったり、悩んでいるときにも、その人を見捨てることなく、一緒に解決策を考えたり、励ましたりしなければいけません。
失敗から学ぶという積極的な姿勢を教えるのもメンターの仕事の一つ。
いろいろな経験を自分のプラスに変えていく力のある人に育てたい、と思うのであれば、メンター自身もプラス思考で、失敗も新たな挑戦も一つの大きな成長の場として捉えられるような人である必要があるのではないでしょうか。
意欲的で積極的な姿勢を持つ人は、人にもその意欲を分け与えてあげることができるでしょう。
逆に、いつもマイナス思考の人は自分に対しても他人に対しても、弱点や失敗を大きく見がちで、仕事に対して意欲的になれない傾向が強いかもしれません。
それでは、人を励ますことはおろか、どんな仕事も自主性をもって取り組むことを教えることは難しいでしょう。
4.人の良さを引き出せる人
メンターは時にはコーチやトレーナーのような役目を果たします。
コーチは、相手の能力や特性を引き出します。
そして、トレーナーは訓練によってその特性を伸ばそうとします。
ですから、メンティに対して積極的な見方ができる人ではなければいけないのは、先ほど紹介した通りです。
しかし、どうしたら人の良さって引き出せるのでしょうか?
きっと誰でもそうですが、人間関係において相手を受け入れようとしない、認めようとしない人とは信頼関係は築けませんよね。
信頼関係がないところには、本当の姿というものをさらしたいとは思いません。
まずは、相手をよく知ること、そして相手を信頼することです。
相手と率直なコミュニケーションをとり、そして相手を受け入れる姿勢を持つ必要があります。
相手を何も知らなければ、その人の良さなんて知ることはできません。
そして、その人の良い特性を効果的に活用するような仕方でのアドバイスや提案というものができるといいのではないでしょうか。
5.説得力がある言葉を話せる人
どんな話にも、経験にも説得力が欠けていると、そこから教訓を得て自分のこれからに活かそうと考えることはできません。
ですから、メンターは言葉に説得力がある人でなければいけません。
つまり、メンティにとって、メンターから言葉が信頼できて、実際的で、納得できるものであればそれはメンティに良い影響を与えますが、そうでなければいくら話しても心には響かずに意味をなさない、という結果になるかもしれないのです。
でも、説得力のある言葉ってどんな言葉なんでしょうか?
それは、筋が通っていて、明快で、根拠のある言葉ではないでしょうか?
ですから、なんかいつも主観的な話だったり、くどくどとそれっぽい言葉を並べるだけで結局何が言いたかったの?と要点がはっきりとしない話し方は、説得力がありません。
さらに、口先ばっかりで行動が全く伴っていない人の話は信用性に欠けるでしょう。
言葉と行動が一致していて、言っていることを実際に行っている人の言葉というのは説得力が増します。