睡眠は大切ですが、忙しい現代人は睡眠時間が十分に確保出来ていない人も多いと言われています。
夜に十分な睡眠時間が取れなかった時は、昼寝をするのがオススメです。
という事で、今回は昼寝の効果に注目し、“昼寝の13個のメリット”と“昼寝によるデメリット”、さらに、“効果的な昼寝の仕方”をご紹介しちゃいます。
「お昼寝大好き!」という人はもちろん、「普段、あまり昼寝をしない」という人も必見ですよ!
昼寝にはいろいろな嬉しいメリットがたくさん!
夜に十分な睡眠時間を確保出来ている人は、昼寝をする機会も少ないと思います。
しかし、「夜、あまり眠れなかった…」とか「昼なのに眠くなってきた…」という時は是非、昼寝をしてみて欲しいのです!
…とここまで薦めるのも、昼寝をする事により、健康面・美容面・行動面などで嬉しい効果が期待出来るから。
つまり、昼寝にはメリットが沢山存在すると言えるのです。
昼寝の13個のメリット
「昼寝にはメリットが沢山存在する」と言われても、具体的な事が分からなければ、それが本当にメリットとなるか判断も出来ませんよね?
という訳で、ここから“昼寝の13個のメリット”をご紹介していきたいと思います。
これを知れば、「ただの昼寝」からイメージが変わるかもしれませんよ?
1、ストレスの軽減効果
昼寝にはストレスの軽減効果が期待出来ます。
というのも、睡眠には脳を休ませ、自律神経を整える働きがあるからです。
現代社会においてストレスはつきものですが、どんなに些細なストレスでも心身を追い詰め、疲れさせる力があります。
なので、「何かイライラする」とか「腹が立ってきた…」という自覚症状を持つ前に昼寝などで仮眠を取り、脳のクールダウンを図る事が大切。
昼寝でこまめにストレスを解消していけば、つまらない事でイライラせずに済む訳です。
逆に睡眠時間が足りないと、不安感や被害妄想を発生しやすくなると言われています。
さらに不眠はうつ病の一因でもあるそうです。
つまり、昼寝も含めて睡眠を十分に取る事は、ストレス耐性をつけるだけでなく、精神的な安定を保つのに不可欠という事ですね。
2、脳や精神的な疲れを癒す
これは先程のストレスの話ともリンクしますが、昼寝には脳や精神的な疲れを癒す効果もあります。
上で伝え忘れていましたが、実は昼寝には夜の睡眠の3倍もの効果があると言われているのです!
というのも、夜の睡眠は浅い眠りのレム睡眠と、深い眠りのノンレム睡眠とが交互に繰り返されて行われるもの。
一方、昼寝は深い眠りのノンレム睡眠しか行われません。
夜間の睡眠では、まず寝入りのうとうとした状態から深い眠りのノンレム睡眠に入り、次にレム睡眠へと移ります。
この2つの睡眠を約90分毎の周期で一晩に4~6回繰り返されるのです。
朝方に近づくにつれ、ノンレム睡眠が浅くなると同時にレム睡眠が長くなり、徐々に身体を覚醒へと導きます。
浅い眠りのレム睡眠時は、身体は骨格筋が弛緩して休息状態にありますが、脳は活動して覚醒状態にあり、起きて行動している時よりも強く活動しているのです。
この時、運動機能を遮断しておくのは、脳の活動に身体が反応して動かない様にする為。
(寝ながら身体が激しく動いたら大変ですよね?)
ただし、眼球だけは急速に運動(=「急速眼球運動」と呼ばれるもの)しています。
深い眠りのノンレム睡眠時は、「脳の眠り」とも呼ばれ、脳は覚醒していない状態です。
つまり熟睡している状態にあるので、ちょっとやそっとの事では目覚めませんし、無理矢理起こされてもスッキリと目覚める事が出来ません。
ノンレム睡眠時の体温は少し低くなり、呼吸や脈拍は非常に穏かになり血圧も下がりますが、筋肉の活動は休止しないそうです。
ちなみに、ノンレム睡眠には「N1」と呼ばれるステージ1からステージ4(=「N4」)までの4つの睡眠段階が存在し、N4が睡眠の最も深いレベルとなります。
話を元に戻しますが、昼寝の様な短い睡眠は、熟睡状態にあるノンレム睡眠のみが行われるので、短時間でもしっかりと脳を休め、精神を安定させる事が出来るのです。
これはカリフォルニア大学による研究でも証明されており、昼寝と夜の睡眠の効果を比較したところ、「1時間30分の昼寝は一晩分の睡眠に匹敵する」との報告がされています。
3、集中力のアップ
例え夜に十分な睡眠を取っていたとしても、睡眠の質が悪かったり、朝から頭をフル回転されて働き続ければ、昼頃には脳が疲れてしまう事も珍しくありません。
疲れが溜まれば集中力も切れ、ミスや失敗が増えたりもするでしょう。
そんな時こそ、お昼寝の出番なのです!
昼寝には集中力アップの効果も期待出来ます。
これはちゃんとしたデータも存在し、NASAの研究によると26分間の昼寝をした結果、対象者の認知能力が34%、注意力が54%も上昇した事が分かったそうです。
みなさんも短い昼寝をした後に頭がスッキリした経験はないでしょうか?
それは昼寝をする事によって、起きている間ずっと働いていた脳の一部が休息に入り、集中力が回復した証拠なのです。
4、ミスが減り経済的
これは先程の「集中力がアップする」という話から繋がりますが、昼寝により集中力が上がってミスが減る事で、経済的になるというメリットもあるでしょう。
アメリカでは疲れた従業員が年間18兆円もの損失を生み出しているとの話もあるのだとか…。
一方、NIKEやGoogleの様な仕事中に社員の昼寝を認めている企業では、社員による事故やミスの報告が少なく、その分の損失を出さずに済んでいるそうなのです。
業務時間が少し短くなっても、昼寝にはそれだけの価値があるという事なのでしょう。
5、仕事の能率アップ効果
ここまでの説明で気付いた人も多いと思いますが、昼寝によるストレスやミスの軽減、集中力がアップした結果、自然と仕事の能率向上にも繋がる事になります。
先程NIKEやGoogleなどの例も出しましたが、最近では大手企業を中心に、仕事のパフォーマンスを上げる効果があるとして昼寝が注目されているそうです。
数年後には、仕事中のお昼寝タイムも当たり前になっているかもしれませんね。
6、脳がスッキリしてアイデアが浮かびやすい
昼寝により脳が回復すれば、適切な判断が下せる様になるだけでなく、アイデアが浮かびやすくもなります。
頭がクリアになれば創造性がアップし、クリエイティブな発想を生み出す助けになるはずです。
特にアーティストの様な想像力を働かせる仕事や作業をしていると、脳の疲れも溜まりやすいと思います。
しかし、脳が疲れている状態では、いくら考えて悩んでも良いアイデアはなかなか浮かんでこないでしょう。
そういう時こそ、昼寝をして脳を休める事が重要なのです。
7、記憶力の向上
脳が疲れてくると、外から入ってくる情報を上手く処理出来ず、重要な情報が記憶に定着し難くなってしまいます。
そんな時は、昼寝により脳の休息を取る事で、その後の記憶力が向上する効果が期待出来るそうです!
ドイツのザールダント大学の研究によると、15~30分程度の仮眠で記憶力が大幅に改善する事が確認されたのだとか。
「記憶は脳が休んでいる間(=眠っている間)に定着する」とか「睡眠によって情報が整理される」といった、睡眠と記憶の関係についての話は有名だと思います。
つまり、暗記勉強をした後に昼寝をすれば、覚えた内容が記憶に定着している可能性が高い訳ですね。
ちなみに、60分程度の昼寝は脳の認知能力を再び高めるのに効果的で、90分程度の長い昼寝になると睡眠の完全なサイクル(レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返す)に入るので、想像力・感情・長期記憶の機能を高める効果があるそうです。
8、心臓病、高血圧などのリスク低下
上で「昼寝は、ストレス解消・精神安定・うつ病を防ぐ事に繋がる」という話をしましたが、それだけでなく、昼寝は心臓病や高血圧のリスクを下げてくれる効果もあります。
ある研究では「30分間の昼寝を週3回以上する習慣がある人は、心疾患で死亡する確率が38%低い」との結果が出ているそうです。
また、ハーバード大学のある研究者は、昼寝を「冠動脈疾患死亡率と戦う為の重要な兵器」と評している程。
さらに、心臓病や高血圧の他にも、癌や脳卒中といった日本人の死因ベスト3に入る病気のリスクも下げるのだとか!
特に高血圧の人は、文字通り血圧が常に高い状態にある訳ですが、血圧は寝ると低下するものなので、あえて昼寝をして血圧を下げる事で、心臓病や脳梗塞や糖尿病などの防止にも繋がると考えられています。
(※高血圧は脳梗塞や糖尿病と密接な関わりがあるとされている)
上記の病気を患っている人は、昼寝を習慣化すると良いかもしれませんね。
9、美肌効果
昼寝には美肌効果も期待出来ます。
というのも、人間は睡眠中に美肌を作るのに欠かせないコラーゲンやケラチンという成分を生成する成長ホルモンが分泌されていると言われているから。
つまり、寝ている間に皮膚細胞が修復される(=肌のターンオーバーを促進してくれる)ので、肌のハリと弾力を保つ事が出来るのです。
ちなみに、成長ホルモンは入眠後の深い眠りに入ると同時に分泌が始まるので、深い眠りのノンレム睡眠がメーンのお昼寝は、効率的に肌の修復を行なってくれるでしょう。
一般的には、加齢に伴い成長ホルモンの分泌も徐々に少なくなると言われていますが、睡眠不足や浅い眠りを続ける事も、成長ホルモンの分泌を妨げる原因と言われているので、美を保ちたい人は出来るだけ質の良い睡眠を取る様に心掛けると良いでしょう。
ちなみに、質の良い睡眠を取るには、寝具を自分の体に合う物に変えるとか、寝る直前の入浴・激しい運動・食事などを避けるとか、寝スマホや寝TVを辞めるなどの方法があります。(睡眠改善方法は他にもいくつかあるので、気になる人は探してみて下さいね)
それでも夜になかなか眠れないのであれば、やはり昼寝を習慣にするのがオススメですよ。
あるいは、「肌の調子が悪いな…」と感じる時に昼寝を積極的に取り入れても良いかもしれませんね。
10、ダイエット効果
昼寝には美肌効果の他にも、ダイエット効果もあるそうです!
食後に10分~20分程度の昼寝をすると、その後の活動が活発に行える様になり、これがダイエットに良い影響をもたらすのだとか。
また、「有酸素運動と筋トレを行うのが効果的なダイエットに繋がる」と言われる様に、脂肪を減らし身体を引き締めるには、筋肉を増やす必要があります。
しかし、黙々と筋トレをしただけでは、筋肉はなかなか鍛えられません。
効率的に筋肉を増やすには、睡眠が不可欠なのです。
実は筋肉と睡眠には重要な関係があり、先程も出てきた睡眠中に分泌される成長ホルモン(主にタンパク質系)により、筋肉は大きくなっていきます。
そもそも、筋肉はダメージを受けた部分を修復する事により徐々に大きくなっていくのです。
つまり、筋トレは筋肉にわざとダメージを与える為の行動とも言えますね。
筋肉を作るには良質なタンパク質が必須なので、食材やプロテインなどで摂取するのも大切ですが、さらに効率的に筋肉を増やすには、昼寝をして成長ホルモンの分泌を促すのが賢い方法でしょう。
よく、「食べた直後に寝ると太る!」などと言われますが、昼寝の様な短い仮眠ならその心配はありません。
昼寝を含め、十分な睡眠を確保する事は、太りにくい体質作りに繋がるので、ダイエット中の人は是非実践してみてはいかがでしょうか?
11、甘いものへの欲求を減らせる
上で「昼寝は糖尿病のリスクを減らす」とか「昼寝はダイエットに繋がる」と説明しましたが、実は昼寝には甘いものへの欲求を減らせる効果もあるのです!
殆どの人は午後になると、午前中に消費したエネルギーを補い、午後もしっかり活動する為にやたら糖分が欲しくなるもの。
しかし、昼食で糖分は摂取しているはず(ご飯・パン・麺にも糖分は含まれる)なので、そこでお菓子などの甘いものを間食してしまうと、余分な糖分を摂取する事になってしまいます。
しかし、間食の代わりに昼寝をすると、甘いものへの欲求を消してくれるそうなのです!
それから、体内ではグレリンという食欲増進のホルモンとレプチンといつ食欲抑制やエネルギー代謝促進のホルモンの2つのホルモンによって食欲のバランスが保たれているのですが、この食欲をコントロールするホルモンは睡眠と密接な関係を持っていると言われています。
なので、十分な睡眠を取らないと食欲のバランスが崩れ、本当はお腹が空いていない状態なのに、脳が「何か食べたい!」となってしまい、食べ過ぎや間食に繋がります。
つまり、昼寝を取り入れる事は、食欲のコントロールにも有効な訳ですね。
12、睡眠不足を解消
上でも何度か睡眠不足による悪影響について説明してきましたが、睡眠時間が足りない時はやはり昼寝で補うのがオススメです。
実は4時間睡眠が1週間続いてしまうと、1日分徹夜した時と同じくらい認知機能などが落ちてしまうと言われています。
昼寝は日頃の睡眠不足を短時間で解消出来る唯一の方法であり、しかも体内時計を乱す事なく、深い眠りにつける最強の睡眠法とも言えます。
ただ、「昼寝をしたから夜は寝なくても大丈夫」という訳では決してなく、昼寝を習慣化する場合も、夜は出来るだけ早めに就寝し、最低でも6〜7時間以上は睡眠時間を確保する様、心掛けるのが理想です。
日中に眠気が起こった時に、コーヒーを飲んだり軽くストレッチをして目を覚まそうとする人も少なくないと思いますが、実は10〜15分程度の昼寝をした方が眠気を取るのに効果的との研究結果も出ているのだとか。